当院にて飼育中のギリシャリクガメ(♂・2歳)のオリーブです。
お迎え時から拒食症になり、購入したペットショップの店員さんや動物園で働く知人に相談したり、専門書を読み漁ったりして、色々治療を試し、飼育環境を再確認し食事を変更したりして、何とか乗り越えてくれました。
犬や猫に比べて、
- 血管が見えず、採血が困難
- 甲羅で覆われており、レントゲンや超音波検査といった画像診断が困難
- 甲羅に入ってしまうと、処置も困難
など、一筋縄では行きません。まして、以前に比べましになったとはいえ、獣医学的情報も少ないため、治療も試行錯誤となります。
カメに限らず、エキゾチックペットの診療はわからないことが多く、犬猫では当たり前なことが出来ないもどかしさがあります。
コロナ禍で犬や猫をお迎えする方が多くなった一方で、飼えなくなったと手放す方も多いと聞きます。日本だけに限らず、海外でも同様な事例があるそうです。
犬猫にくらべ、エキゾチックペットの飼育方法はいまだ発展途上な部分もあるため、安易にお迎えすることなく、よく下調べをして、自信がない場合には諦めるのも大切なことかと思います。また、お迎えするにあたっては最後まで責任をもって飼育すること。間違っても飼えなくなったからと、捨てたりしないように。
色々偉そうなことを述べましたが、当院のリクガメは2週間ほど前から、食欲低下と 下痢・軟便、総排泄腔脱(脱腸みたいなものです)で治療中です。便検査やレントゲン検査をしましたが、これといった原因は不明です。抗生剤・補液(点滴)・強制給餌を実施し、最近やっと自力での食事を摂るようになってくれました。
機会がありましたら、経過の報告をさせていただきます。