ペット・ドック

毎年11月頃になるとご案内しておりましたペット・ドックですが、

「1年に1回でいいんですか?」という疑問や要望にお応えして、

今年から通年で実施することに致しました。

当院のこなつ(ラブラドールレトリバー)の件もあり、

こまめな健診がなによりも大事だと実感しております。

期間により料金が異なりますので、「ペット・ドック」のページをご確認の上、

ご予約いただけたらと思います。

また、今年から新たな試みとして、ウサギさん向けのラビット・ドックと、

鳥さん向けのバード・ドックを始めてみようと思います。

犬や猫以上に病気を隠す習性のあるエキゾチックアニマルにとって、

各種検査を定期的に実施することで早期発見・早期治療につながります。

食欲元気のあるウサギさん、鳥さんが対象となりますが、

暴れて検査が十分に行えない場合、やむを得ず途中で中断する場合があります。

予めご了承くださいますようお願いいたします。

検査内容

ラビット・ドック:血液検査、胸腹部レントゲン検査、歯科レントゲン検査、

         超音波検査、尿検査

バード・ドック:血液検査、胸腹部レントゲン検査、便検査、そ嚢検査

検査費用

通常11~3月4~10月
ラビット・ドック¥15,950¥12,760¥13,050
バード・ドック¥11,550¥9,240¥10,395

当院のインコ達も先日、検査を実施しました。

身体検査の様子
採血のための血管を確認中
レントゲン検査

小型のインコで慣れている子は割とすんなり行くのですが、

中型・大型のインコ・オウムでは、結構暴れるので、

もしかしたら鎮静も必要になるかもしれません。(その場合は別途費用がかかります)

当院動物のごはん事情-野草編-

前回の投稿に引き続き、リクガメのごはんについて。

当院の敷地内に生えている野草をときどき与えています。

野菜に比べて食いつきはいまいちですが、栄養の偏りを防ぐために補助食として。

注意点として、犬猫の糞尿や薬剤などに汚染されていないものを与えること

以下、うちのカメが食べている代表的なものをご紹介します。

① タビラコ

 うちのカメが一番よく食べる野草で、黄色い花までおいしそうに食べてます。敷地内でもよく殖えます。

② コバンソウ

 ヨーロッパ原産の帰化植物なようです。独特な見た目ですが、花序(というらしい)を与えてみたら、いつの間にか完食していました。葉の部分はまだ与えていません。

➂ カラスノエンドウ

 春になるといつの間にか大繁殖しており、抜きまくったのですが、与えてみると貪り食っていました。今の時期はあまり見なくなりました。

➃ カタバミ

 よく見る野草ですが、与えると意外と食べていました。人において、有効な成分が多いようですが、シュウ酸が含まれ酸っぱいそうです。たくさん食べると、カルシウムの吸収を妨げるかも?ほどほどがいいかも知れません。

 当院では採取できませんが、その他おすすめされる野草として、タンポポ、オオバコ、シロツメクサ、ナズナ、菜の花、レンゲ、ハコベ、ハハコグサ、ヨモギなど。

 リクガメを飼うようになってから、身近な「雑草」にも名前があり、食べられる(時には人も)「野草」だと知るようになると、普段の散歩でも目に留まるようになりました。図鑑を見ながら勉強すると楽しいものです。逆に、容赦なく草取りが出来なくなるというデメリットもありますが・・・。

 逆に食べてはいけない野草もありますし、前述の汚染された野草による事故もありますから、十分気を付けて与えてください。

当院動物のごはん事情-野菜編-

以前、ブログにも挙げましたギリシャリクガメの経過報告。

相変わらず軟便続きですが、最近異常なまでの食欲。

拒食で悩んでいたのが嘘なくらい。

以前は買ってきた野菜をなかなか食べてくれず、新鮮な野菜を食べてもらうために

敷地内で野菜を栽培し、毎日収穫していました。

しかし、前述の通り最近の爆食に追いつかなくなり、また、薬を使わないために

虫の餌食になることもしばしば。結局、スーパーで購入したものが主食となりました。

そこで、これまでリクガメに与えてきた食事について、備忘録として記載します。

できるだけカルシウム含有量の多いもの(Ca:Pが4~6:1のものが理想)を選んでいます。Ca:P =2~4:1を推奨するものもあります。

各野菜横の()内は100gあたりのCa(㎎), P(㎎), Ca:P比の順番に記載しています。2022年度版の食品成分表より抜粋しています。

①小松菜 (170,45,3.8

 草食の爬虫類の言わずと知れた主食ですね。ビタミン類も豊富です。苗を購入し、秋頃畑に植えましたが、虫の少ない季節だったから育てやすくよく食べてくれました。

②チンゲン菜 (100,27,3.7

 以前は葉の部分しか食べなかったので、茎の部分は胡麻和えにしておいしく頂きました。最近は茎までバリバリ食べています。

➂モロヘイヤ (260,110,2.4

 ビタミンAなどが非常に豊富ですが、うちのカメは食べてくれませんでした。仕方がなく、自宅で食べようとしましたが・・・。

➃菜っ葉(山東菜) (140,27,5.2

 葉が柔らかく、味噌汁に入れるとおいしかったです。うちのカメもよく食べています。ややビタミン類が少ないか。

⑤カブ (250,42,6.0

 ビタミン類も豊富で、栄養素的には申し分なし。畑で種から育て、葉と茎はリクガメに、根の部分は味噌汁の具として、余すところ無く頂きました。難点は、とにかく青虫の餌食となるところ。虫対策をして、リベンジするか検討中です。

⑥水菜 (210,64,3.3

 苗から畑で育てましたが、虫に食われにくく、次から次へと葉が出てきて重宝しました。葉の部分をよく食べていますが、茎の部分は結構残っています。自宅でもサラダとしておいしくいただきました。

⑦オクラ (92,58,1.6

 主食向きではありませんが、拒食時に割とよく食べてくれました。今年の夏に向けてプランターで栽培中です。副食向き。

⑧ミニトマト (12,29,0.4

 拒食時にネットでよく食べると書いてあったため、与えてみたけど、うちのカメは食べませんでした。

⑨レタス (19,22,0.9

 拒食時に手に入る緑黄色野菜を一切食べず、苦肉の策で与えたところ、すごくよく食べてくれました。それがきっかけで拒食を乗り切ることができた野菜です。最近では、自宅で食べる分の残り物をたまに与えています。畑で育てていましたが、虫にも食われず、管理しやすかったです。

⑩アロエ (56,2,28

 Ca:P がとんでもない値(100gあたりのCa含有量はあまり多くありませんが)で、水分も豊富ということもあり、栽培していますが一時期食べて以来、口も付けなくなりました。今では鉢からあふれるほど成長しています。

⑪桑 (Ca:P=不明。探したけど見つかりませんでした。)

 昔からカイコガの幼虫の餌として利用されてきていましたが、Caのみならず多くの有効成分を含んでおり、動物園の飼育員さんにも勧められました。昨年の秋から植樹し、春になって急成長。リクガメも喜んで食べてくれています。桑の実(マルベリー)が最近色づき始め、熟したものを食べてみましたが、すごく美味しかったです。スペースがあれば是非おすすめです。

 

 長々と失礼しました。これはあくまでもうちのリクガメでの話ですので、すべての子に当てはまらないかもしれませんが、拒食に悩む子の少しでも参考になれば幸いです。次回は、野草編を書く予定です。

経過報告

前回の投稿でリクガメの治療について書かせていただきました。

その後のご報告。

あの後も色々内科治療をしていましたが、総排泄腔脱の再発を繰り返していました。

鳥や爬虫類は便の通る消化管、尿が通る尿道、卵の通る卵管が合わさる総排泄腔をもち、それぞれの臓器に病気をもつと、いきみから総排泄腔脱をおこします。 

尿路結石から膀胱脱、卵塞から卵管脱、便秘や腸炎、なかには腸重積などから結腸脱を起こします。

他にも低カルシウム血症やお腹の中のしこり、呼吸困難、肥満なども原因に挙げられます。

当院のカメについては、レントゲン検査で尿路結石や卵塞(そもそも♂)、便秘や呼吸器疾患も見られませんでした。

これまでの内科治療に対する反応も乏しかったため、原因究明のために試験開腹を行いました。犬猫と違い、カメは甲羅があるため、かなり大変でした。

結果的に、腸にも異物や腸重積はみられず、原因不明という判断・・・。

お腹を閉じて、総排泄孔(おしりの穴)を糸で縫い、経過観察としました。

これは、術後26日目の写真。四隅の白いのはエポキシ樹脂で、甲羅を固定しています。

食欲はかなり旺盛ですし、総排泄腔脱も見られませんが、以前よりやや軟便と排便回数が多いです。なんともスッキリしない結果となりました。

3月に入ってから、犬猫ともにマダニが寄生している子をよく見かけます。また、蚊を見るようになったということで、フィラリア予防に来院される方も増えてきました。

予防が抜けたことでフィラリアに感染した例も、ときどき見受けられます。早めの予防開始と、継続をお勧めしております。

リクガメ治療中

当院にて飼育中のギリシャリクガメ(♂・2歳)のオリーブです。

お迎え時から拒食症になり、購入したペットショップの店員さんや動物園で働く知人に相談したり、専門書を読み漁ったりして、色々治療を試し、飼育環境を再確認し食事を変更したりして、何とか乗り越えてくれました。

犬や猫に比べて、

  • 血管が見えず、採血が困難
  • 甲羅で覆われており、レントゲンや超音波検査といった画像診断が困難
  • 甲羅に入ってしまうと、処置も困難 

など、一筋縄では行きません。まして、以前に比べましになったとはいえ、獣医学的情報も少ないため、治療も試行錯誤となります。

カメに限らず、エキゾチックペットの診療はわからないことが多く、犬猫では当たり前なことが出来ないもどかしさがあります。

コロナ禍で犬や猫をお迎えする方が多くなった一方で、飼えなくなったと手放す方も多いと聞きます。日本だけに限らず、海外でも同様な事例があるそうです。

犬猫にくらべ、エキゾチックペットの飼育方法はいまだ発展途上な部分もあるため、安易にお迎えすることなく、よく下調べをして、自信がない場合には諦めるのも大切なことかと思います。また、お迎えするにあたっては最後まで責任をもって飼育すること。間違っても飼えなくなったからと、捨てたりしないように。

色々偉そうなことを述べましたが、当院のリクガメは2週間ほど前から、食欲低下と  下痢・軟便、総排泄腔脱(脱腸みたいなものです)で治療中です。便検査やレントゲン検査をしましたが、これといった原因は不明です。抗生剤・補液(点滴)・強制給餌を実施し、最近やっと自力での食事を摂るようになってくれました。

機会がありましたら、経過の報告をさせていただきます。