当院動物のごはん事情―鳥編―

当院玄関前に植樹してあります、ヤマボウシが花を咲かせました。ハナミズキ科の植物で、花が咲いてから葉が出てくるハナミズキと異なり、葉が茂る中、花を咲かせます。控え目ですが、特徴的な葉と相まってとても綺麗で癒されます。

さて、ここの所、リクガメのネタばかりでしたので、インコについて。

一般的に鳥の餌というと、粟やヒエ、キビなどのシード類が与えられていますが、これらには、鳥にとって必要なビタミンやカルシウムが圧倒的に不足します。そのため、シード類に加え、ビタミン補給のために青菜類を、カルシウム補給としてボレー粉(カキ殻を砕いたもの)やカトルボーン(イカの甲)を別途与える必要があります。代わりにサプリメントも各種販売されていますが。

こちらは有名なネクトン社製のサプリメント。当院にはこれしかありませんが、換羽期や繁殖期など状況に応じて各種あります。

青菜類については、前々回の野菜編をご参照ください。小松菜やチンゲン菜はインコにも推奨されていますし、当院のインコたちも好んで食べています。

ただ、毎日のことなのでこれらを用意するのはなかなか大変という場合に、必要な栄養素がすでに含まれている人工飼料(ペレット)が各種ありますので、食べてくれるならこれほど心強いものはありません。

当院のインコたちが食べているのは、ラウディブッシュ社のメンテナンスになります。ホオミドリアカオウロコインコはうちに来て、割とすぐ切り替え可能でした。基本的にこれと、ときどき青菜類を与えています。

ただ、いきなり切り替えられない場合もあります。アキクサインコは、初めシード類しか食べず、ペレットには見向きもしませんでした。同居のウロコにあげているおやつをシードに混ぜたりしているうちに、ある時おやつを食べているのに気づきました。これは!と思い、ペレットを少しずつ混ぜると食べるように。

お迎えして1年くらいかけて、今ではペレットに切り替え出来ました。食べないからと諦めず、根気強く見守っていってよかったです。

ちなみにおやつはラフィーバ社製のトロピカルフルーツ。ペレットに加え、シードやドライフルーツが一緒に固めれられてます。

犬猫に加え、鳥や爬虫類においてもバランスの良い食事はなにより健康に必要です。食事のトラブルが少しでも減るように、色々と書かせていただきました。私見や知識不足の点は否めませんが、ご家族の健康にとって少しでも参考になればという思いです。

休診のご案内

先週の話ですが、下痢や消化不良で調子を崩し体重が減少した

セキセイインコさんが入院していました。

原因はおそらくカビなのですが、

ストレスによる免疫力の低下がきっかけだったか。

うちのインコたちと同室でお預かりし、

保温と内服、専用フードの強制給餌で幸い改善し、退院。

「おともだち(ライバル)効果」といって、

近くの鳥が食べる姿が刺激になるんだとか。

以前、福岡のセミナーで拝聴した内容でしたが、ためになりました。

本題ですが、今月の休診のご案内です。お盆休みです。

    8月13日(金)

    8月14日(土)

    8月15日(日)

通常木曜日が休診なのですが、振替で8月12日は開院します。

また、8月28日(土)が研修参加のため、休診となります。

よろしくお願いいたします。

ひさびさに

最近、投稿を疎かにしておりました。

早速ですが、当院の新しい仲間のご紹介。

アキクサインコのもみじです。

鼻孔周囲や腹部の羽毛に青が目立つので、

おそらく♂となります(間違ってたらごめんなさい)。

ホオミドリウロコのワラビが甲高い声で鳴き叫ぶのに対して、

こっちは大変きれいな声でさえずります。

残念ながら手乗りではないですが、粟穂を手から食べてくれます。

もう少しいい写真が撮れたらアップ致しますので、ご期待ください。

ホオミドリのワラビは何だかんだで8歳になりました。

何年か前から、急な環境の変化の直後に発作を起こすように。

血液検査をしましたが、特に異常は無し。

とりあえずストレスをかけないように心がけます。

ちなみに、鳥の健康診断として、一般的には

① 身体検査 ② 便検査 ③ そ嚢検査 ④ レントゲン検査

⑤ 血液検査 ⑥ 超音波検査

など、犬、猫と同様(そ嚢はありませんが)の検査が可能です。

ただ、ストレスをかける検査や処置が状態を悪化させる恐れも。

そのあたりを見極めながらになりますね。

セミナー参加と、うちの子紹介

先日、セミナー参加のため福岡まで行って来ました。

 第4回 九州エキゾチック動物臨床研究会セミナー

エキゾチック動物、つまり犬猫以外の動物を対象としたセミナーです。

犬猫のセミナーはよく開催されるのですが、

なかなかエキゾチックアニマルの勉強をする機会は少ないため、

今回思い切って参加した次第です。

内容は、

  1. はじめての小鳥の臨床
  2. はじめてのハリネズミ診療
  3. 小鳥の超音波検査

1、2については「はじめての」とありますが、なかなか内容の濃いもので、いままでの自分の診療の不足分が学べるものでした。

特にハリネズミは開業以来、診る機会もありませんでしたので、

改めて学び直しが必要だなぁ、と感じました。

3.の小鳥の超音波検査は、日常の診療でほとんど行なってこなかった分野ですねぇ。

すぐにでも取り入れられるので、よりよい診療のために積極的に検査していこうと思います。

 

最後にエキゾチックアニマルつながりで、うちの子紹介。

ワラビ

ホオミドリアカオウロコインコ  ♀  6歳

つがいの♂が亡くなり、ただいま1羽だけで生活中。

ラフィーバのトロピカルフルーツが好物ですが、ほとんどボロボロにして食べているんだか・・・。

言葉は「ワラビ、ワラビ」とだけ喋ります。